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スティグマーター パッケージ Athanasius記名入り


1999年のアメリカのホラー映画(日本公開は翌年)に「スティグマーター 聖痕」(STIGMATA)」という作品がありました。パトリシア・アークエットやガブリエル・バーンが主演です。映画の内容なんかはWikipediaやポンコツ映画愛護協会『スティグマーター/聖痕』なんかで詳しく説明されていますので、そちらを見た方が解り易いでしょう。

 この作品の中に次のようなやり取りがありました。アンドリュー神父(ガブリエル・バーン)のもとに、かつての福音調査会の一人であったマリオン・ペトロチェリー元神父(レイド・セルベッジア)が、アンドリュー神父が主人公のフランキー(パトリシア・アークエット)が憑依状態でアラム語で書いたものについて、バチカンの秘文書間で翻訳の仕事をしているジアーニ神父に電話で相談し、ジアーニはその書かれたものがかつてアラメイダ神父・ジアーニ神父・マリオン神父が調査と翻訳をしていて、文書が公になることが教会の権威を失わせるとして拒否していたをした福音調査会の責任者であるハウスマン枢機卿によって、アラメイダとマリオンは欠席のまま破門になり、その時アラメイダはその文書が抹殺されることを恐れそれを盗み出し行方をくらましていたその失われたはずの文書と同じ内容のものが出てきたこと知り、それをもとの同僚マリオンに知らせ、彼はジアーニ神父からそれを聞いてアンドリュー神父のもとやって来ました。その時のやり取りが実に興味深い。


日本語は字幕ではなく、吹き替えのセリフです。英文は原文シナリオ。

スティグマーターセリフ 01


マリオン
これは紀元一世紀ごろのアラム語の文章だが、エルサレム郊外の死海文書のあった洞窟近くで発見された。
アラメイダと私がこれを分析した結果、この文書はキリスト本人が語った福音だと断定した。
だが、バチカン内には、この文書が教会の権威を失墜させるのだと考える一部党派があった。
PETROCELLI
It's an Aramaic scroll from the 1st century, discovered near the cave
of the dead sea scrolls outside Jeruselum. Alameida and I concluded
that it is a gospel of Jesus Christ. In his own words: Aramaic. There
are some from the Vatican who believe that this document could destroy
the authority of the modern church.

アンドリュー神父
なぜ?
KIERNAN
How?

マリオン
福音は、イエスが最後の晩餐で語った言葉だった。
イエスが死んだ後に、いかにして彼の教会を続けるかを指示したものだった。
PETROCELLI
It was Jesus' words to his disciples on the night of his Last Supper.
His instructions to them on how to continue his church after his death.

アンドリュー神父
なぜ、それがバチカンにとって脅威なんです?
KIERNAN
Why would that be so threatening?

マリオン
我々が福音調査会に最初のレポートを上げた時、ハウスマンは調査の中止を命令したが、アラメイダは拒み、文書を盗み姿を消した。
ハウスマンは欠席裁判で我々を除名にした。
PETROCELLI
When we gave our initial conclusion to the gospel commission, Houseman
ordered us to stop our work immediately. Alameida refused. He stole the
document and disappeared. Houseman excommunicated us in our absense.

アンドリュー神父
誰もアラメイダの行先は?
KIERNAN
You have no idea where he is?

マリオン
福音の翻訳を終えるまでは、どこかで潜伏を続ける気だろう。
ここに写真がある。ジアーニと私、アラメイダの三人でその福音を翻訳した。
PETROCELLI
He doesn't want to be caught until he finishes the translation.

PETROCELLI
That's Delmonico, me and Alameida. We were all translating the new
gospel together.

アンドリュー神父
彼に遇いましたよ。三週間前。ブラジルで。
KIERNAN
I've seen this man. Three weeks ago. In Brazil.

マリオン
えっ?
PETROCELLI
Yeah?

アンドリュー神父
死んでます。
KIERNAN
He's dead.

マリオン
なぜそんなことが?
PETROCELLI
How do you know this?

アンドリュー神父
棺に納まっていました。ペロキントの教会で、残念ですが。
KIERNAN
Because I saw him in his coffin in the church in Belo Quinto. I'm
sorry.

マリオン
(溜息)、では終わりだな。福音は失われた。
PETROCELLI
Then it is all over. It's gone forever.

アンドリュー神父
なぜあなたも除名に?
この福音の何が脅威なんです?
KIERNAN
Why was your work stopped? What was so threatening about this gospel?

スティグマーターセリフ 02


マリオン
見まわしてごらん、何が見える?
PETROCELLI
Look around, Father. What do you see?

アンドリュー神父
教会です。
KIERNAN
I see a church.

マリオン
建物だ。
イエス・キリストのまことの教会はもっとすばらしいものだ。
木や石でできた建物などいらない。
イエスを愛していれば、彼と私の間に、組織は必要ない。
ただ人と神がいればいい。
PETROCELLI
(Shrugs)
It's a building. The true church of Jesus Christ is so much more. Not
in buildings made of wood and stone. I love Jesus. I don't need an
institution between him and me. You see, just God.

スティグマーターセリフ 03


マリオン
僧侶も教会も要らない。
そのイエスの福音の出だしは、
神の王国は、汝の内にあり、汝の周りにある。
木や石でできた建物の中ではない。
薪を一つ割れば、私がいる。
石をどければ、そこに・・・
PETROCELLI
No priest, no churches. The first words in Jesus' goispel are: "The
kingdom of God is inside you. And all around you. Not in buildings made
from wood and stone. Split a piece of wood and I am there. Lift a
stone...

スティグマーターセリフ 04


アンドリュー神父
゛私がいる˝
KIERNAN
...And you will find me.

マリオン
そうだよ。
PETROCELLI
Yes, brother.

スティグマーターセリフ 05





 この映画でのトマス福音書の句は、現実に1945年にエジプトのナグ・ハマディで発見された写本群の一冊であるコプト語「トマス福音書」の中の語録77:2を後半部分として引用して、あとは聖書のルカ福音書17:21や使徒7:48などから前半を作ったものと思われます。

 また、実際の「トマス福音書」の起源はアラム語ではなく、おそらく二世紀後半のシリア(エデッサ)で、シリア語で書かれたものが原本ではないかと推察されています。詳しく知りたい方は「トマスによる福音書」(荒井献 講談社学術文庫)や「ナグ・ハマディ文書Ⅱ 福音書」(岩波書店)を読まれるとよいでしょう。


トマスによる福音書とナグ・ハマディ文書二福音書 小 Athanasius記名入り


 この映画の中のこのセリフ。
"The Kingdom of God is inside you and all around you,
Not in a mansion of wood and stone.
Split a piece of wood and God is there,
Lift a stone and you will find God."

"神の国は汝の内に、周りにある
木や石造りの建物にはない
薪を割っても私はいる
石をどけても、そこにいる"
(字幕より)

 キリスト者も信仰生活が長くなってくると、いつの間にか建物や組織が教会である錯覚をしてしまいます。錯覚をしながらも口では教会は召し出されたキリスト者のことであるなどと説明はします。しかし、実際には組織や建物に囚われているのが現実でしょう。

 教会に献金するにしても、名目は神様への感謝などと申しますが、実際は教会の人件費(牧師給)が多くを占めていますし、教会堂(礼拝堂や教会施設)の維持や修繕、電気や水道などの光熱費、什器設備費、通信費、消耗品費、火災保険などが続いており、そして聖壇費、伝道費集会にかかる費用など、これら大きく三つに使われています。教会員はこれらを支えるために毎月維持献金(月定献金)を献げています。これはいい悪いではなく、必要なものです(ちゃんとした管理と会員への情報の完全公開、会計監査など、また総会などでの審査などしっかりしていれば)。

 しかし、こういうことに気が行き過ぎて、いつの間にか組織を維持すること、また拡張すること、建物を維持すること、建物を立派にすること、などに心を囚われてしまって、いつの間にかキリストを見失ってしまっていたりします。そうじゃなく、こんなものは二次的なものにすぎないんだ。まずは私と神、私とキリスト、私と聖霊の関係があれば、そこが第一歩。失っても見失ってもならないことであり、ペトラ(岩)に不動の教会をたてることになる(マタイ16:18)のです。

 
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プロフィール

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Author:athanasius
当ブログにおいて、キリスト教関係の記事などにつきましては、あくまでもわたしの信仰や所属する教派・教会の教義的な私個人の立場から、わたしがおかしい、納得できない、ウソだろう、こうではないか、なとなどの批判・批評、否定、または合意、賛同などを書いています。また他宗教については個人的な感想として書いています。ある人にとってはとても不快に思ったり、反対意見もあると思います。その場合、広い心でお読みください。また、人の考え方は不変なものではありません。過去の発言と現在の発言が変わったりするのも自然なことですのでご留意ください。

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