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ダビデ旧王家と祭司の家系の出の反抗のメシア

さて、イエスの生まれについて、極僅かなことですが気になることがあります。

イエスの育ったナザレの村は、ヘブライ大学で教授をしていたシュムエル・サフライ氏の著書「イエス時代の背景 ユダヤ文献から見たルカ福音書」(ミルトス 1992年)の中で、

" 紀元135年以後、ガリラヤにあった祭司の居住地の名は、今日まで残っている。たとえば、タンナイームの文献(紀元230年に至るまでのラビの著作)は、ガリラヤにあった祭司の組の所在地に触れている。また、後代の「ピュティーム」(5-9世紀頃礼拝中に読まれたヘブライ語の詩文)には、24組の所在地に関する完全な一覧が残っている。さらに、この一覧の一部は、イスラエルおよびディアスポラ(たとえば、イェメン)の古代の会堂で発掘されている。
・・・
 ナザレには、第18番目の祭司の組「ハピツェツ」の家があった。1962年、24組の祭司たちの一覧の断片がカイザリアの会堂の廃墟から発掘されたが、3世紀から4世紀にかけてのものと思われるこの大理石の断片には、4つの組が住んでいた場所の名が刻まれている。その中にはナザレ、すなわち、ハピツェツ組の居住地がある。"
(ブログ主:引用の邦訳本は縦書きで漢数字を使用していますが、このブログの横書きに合わせてアラビア数字に改めています)

1962年、24組の祭司たちの一覧の断片がカイザリアの会堂の廃墟から発掘された大理石の断片

 上の画像が前掲書の中で言われている1962年に見つかったもので、2番目にナザレとあります。


 ユダヤ教の祝日の一つティシュアー・ベ=アーブに読まれるピーユート(この語の複数形はピュティーム)のEicha Yashva Havatzelet Hasharonにその記述があるようなのですが、如何せんヘブライ語ができないので確認ができません(Google翻訳などを使っても、詩文なのでまともに訳されないのでよけい解りません。)

 そこでそこにサフライ教授の言われる記述があるとして話を進めます。ルカ福音書においてナザレのマリアは、第8のアピアの組の祭司ザカリアは、同じくアロンの家系(祭司の家系)のエリサベツという女性を妻としています。このエリサベツはナザレ村のマリアの親戚であることが述べられています。それでナザレが祭司ハピツェツ家の居住地であるならマリアも祭司の家系(ハピツェツの組)の女性と考える方が自然と思われます。

 そして、婚約者のヨセフが旧王家であるダビデの家系で、妻となるマリアが祭司の家系。すなわち第一のヨヤリブの組の祭司マタティアスの息子たちによって立てられたハスモン朝以来、祭司の家系は貴族的な家系になります。

 ルカはダビデ旧王家の家系と現在の貴族ともいえる祭司の家系の間に、両家系のイエスというメシア像を物語として組み上げたのではないかと想像するわけです。すなわち名門から出ていながら貧しい者たちと共にあって、するどく祭司貴族やファリサイ派という人たちに反抗するメシア、そんなものを描き出しているのではないかと思うわけです。

***

追記 20181014-05:54

記事本文中で言及しているピユートの原文とそれをGoogle翻訳したもの

ピユート本文とそのGoogle翻訳

***

追記2022年12月21日(この記事書いたときには引用するの面倒で記事には書かなかったのですが改めて追記します)

"  ナザレ

・・・

 非キリスト教資料では、ナザレはカエサレアの会堂の碑文に最初に言及されていて、これはガリラヤに定着した24の祭司の家族名を記している。7世紀のケレヴォット(讃美歌)では、ナザレは祭司の家系のハピツェツ(アフセス)の故郷として姿をあらわす(歴代志上24:15)。・・・"

(「聖書考古学大辞典」 講談社 p.704)

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