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金の板に文字が書かれていれば利用しようとする

金版横03斜め URL


 「モルモン経」(佐藤龍猪 訳)の二代目と三代目の装丁のものにのみ8ページのカラーページが付されています(本文中のカラー挿絵は除く。他の装丁版はイエスが按手している絵の1ページだけです)。

モルモン經 三代目表装とカラーページ URL

その画像の中に1枚の金の板にくさび形文字が刻まれているものがあり、その下に以下の "1961年ペルシアで発見された金版 ダリウス二世(B.C.400年)の時代のもので、一面にくさび形文字が刻み込まれている。 この版の大きさはモルモン経の金版とほぼ同じである。ジョセフ・スミスは、モルモン経の金版は幅約14.4センチ、縦約19.2センチ、厚さは普通のブリキ版ぐらいであったと述べている。" という説明文が付されています。

ペルセポリスのアパダーナ(謁見の間)の東南隅の土台の下に埋納されていた定礎碑文

 しかし、このくさび形文字の刻まれた金の板は、どう見てもペルセポリスのアパダーナ(謁見の間)の東南の隅の土台部分に埋納されていたダレイオス1世の定礎碑文(銀製のものと金製の二枚)に見えます。画像を拡大して対比しても同じに見えます。

ダレイオス1世の定礎碑文とモルモン経の画像

 それをダレイオス二世時代のものと誤っていたために、それ以降の表装版から削除されたのではないかと思います。このダレイオス1世の金製の定礎碑文とそれが納められていた石の入れ物は、モルモン神話の「預言者ジョセフ・スミスの証」の中に、天使モロナイによって金版に刻まれた古代アメリカの記録が、ニューヨーク州オンタリオ郡マンチェスターの村の近くのクモラの丘の土中に石の箱の中に納められていたとの話から、石の箱に納められて土の中に埋納されていたダレイオス1世の定礎碑文と似ているという事で、モルモン系のサイトやブログなどでよく取り上げられているものの一つです。

 あとモルモン系のサイトなどでは、その外にブルガリアで発見された最古の製本である(前500年ごろ)24金の板に乗馬する男、竪琴、人魚、戦士などが描かれ、それが6枚あり、フックというかそういうものでコーデックス風になったものなどもよく見かけます。

エトルリアの最古の本
Golden Orphism Book

 その他には唐や高麗の金版経と呼ばれる金の板に経文を書いたものなども見られます(金板経については次のサイト記事などが参考になります唐の金板経(金剛般若波羅蜜経)高麗金板経)。

  もう一つ、Yahoo!ニュースの「Could lead codices prove ‘the major discovery of Christian history’?」のニュース記事のヨルダンの国で発見された鉛プレートに刻まれ、リングで縛られた初期キリスト教の写本なども見られたりします。

 しかし、金属の板や金の板に文字が刻まれていれば、歴史的背景やどのような立場の人間がそれを作らせたのかを考慮しないで、何にでも反応して、モルモンの金版と結びつけたりするのは哀れです。


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金版、真鍮版

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金版、真鍮版


 このしばらくモルモン教のモルモンの金版やラバンの真鍮版について思い巡らせていましたが、やっぱり荒唐無稽、幼稚なだまし事だなと改めて思いました。

金版1 URL

 金版とラバンの真鍮版の重さついては、「モルモン書を切り刻む」の中の「ラバンの真鍮版を計算すると」と「金版も計算してみよう! すると・・・」の二つの記事にくわしく出ています。

 また「金版も計算してみよう! すると・・・」の下の方にある「「きまぐれな☆宿屋」内の「パロモル☆ショッピング」金版編」は元記事がリンク切れなので、インターネットアーカイブで見ることができます。

モルモン經 三代目表装とカラーページ URL

 ジョセフ・スミスJrが受けたとされる金版は、モルモンの版(モルモンによる二―ファイの大版の抄録)と二―ファイの小版、モルモンが書き継いだモルモンの版と封じられた三分の二からなるものです。その金版のサイズについては、Book of Mormonの昭和訳である「モルモン経」(佐藤龍猪 訳)の二代目の装丁のものと三代目の装丁に付されたカラーページ(画像は三代目の装丁のもの)の画像の下に "1961年ペルシアで発見された金版 ダリウス二世(B.C.400年)の時代のもので、一面にくさび形文字が刻み込まれている。 この版の大きさはモルモン経の金版とほぼ同じである。ジョセフ・スミスは、モルモン経の金版は幅約14.4センチ、縦約19.2センチ、厚さは普通のブリキ版ぐらいであったと述べている。" との説明文が出ていました。

 このサイズを元に「モルモン教は信じるに足るか」で計算した重さが106.7kg、このサイズの金属の塊は古代の人でも持ち上げるのは一苦労したでしょう。そして、これだけではなくラバンの真鍮版189kg、この二つを持って移動することなんて一人では到底無理です。

金版 約106.7kg URL

 また、ラバンの真鍮版はモーサヤ書第一章4節によれば、 "なぜならば、もしもこの真鍮版の助けを借りなかったならば、私たちの先祖のリーハイもこれらのことを皆記憶して、子孫に教えてこれを伝えることができなかったであろう。リーハイはエジプト人の言葉を学んだからこの真鍮版に刻んであることが読め、それを子孫に教えたから子孫はまたそれをその子たちに伝えることができた。このようにして神の命令は今日になるまで守られてきた。" とあるようにエジプト人の言葉に訳された旧約聖書と旧約正典にはない文書であったとしています。リーハイとその子らがいた時にまだ書かれてもいない文書があるのはご愛嬌です(笑)

 また、エジプト人の民衆語であるデモティックに、誰がトーラーや預言者の言葉を訳したのか、古代ヘブライ語からデモティックに訳するメリットはないにもかかわらず(別にそれ程短くなるわけでもない)そうした理由、またたかだか50人程度を指揮するラバンやその一族だけでそのような事業はできるはずもないですし、王国を上げてそのような事業があったなどの記録もまったくありません。ちょっと考えればわかりそうなものです。

 滑稽なのが、1987年の「モルモン経」のインスティチュートテキストに、金版に刻まれた文字、すなわち改良エジプト文字(変体エジプト文字)についての説明の中でヘブライ語についてこう書いています。 "ヘブライ語は英語や欧米諸国の他の言語と比較して、はるかに簡潔である。他のほとんどの言語よりも少ない単語で同じ概念を表すことができる。次頁の写しを見ていただきたい。これはⅡ二―ファイ5:20からⅡニーファイ11:3まで、英語版では15ページに相当する部分をヘブライ語に翻訳したものである。この文字は、今日の普通の英語のモルモン経の文字よりも小さいが、たとえこの3倍の文字を、15ページがわずか2ページにしかならないのである。モルモンとモロナイの使った文字については何もわからないが、もし版が十分に大きくないためにヘブライ文字を使用しなかったのであれば、変体エジプト文字は少ない単語で多くの情報を伝えられるのであるから、彼らにとって最も注目すべき言語であったに違いない。"(pp.13-14) と書いて、ウイリアム・E・ベレット著「回復された教会」からⅡ二―ファイ5:20からⅡニーファイ11:3までのヘブライ語訳の画像を掲載していますが、その文字の小ささに笑ってしまいます。この画像の日本語の文字がほぼ日本語訳のモルモン経と変わりませんから、ヘブライ語を3倍しても、全然その大きさになりません(笑)

1987年版「モルモン経」インスティチュートテキスト p14

1987年版「モルモン経」インスティチュートテキスト 文字大きさ対比

 そもそも改良エジプト文字の写しを見てもデモティックや古代ヘブライ文字よりも少なくて済む文字には思われませんし、こんな文字では金のブリキ板に文字を刻むのも一苦労でしょう。これはペンで紙に書くような字体です。

金板の写しとそれを明確にしたもの

金版4 URL

 こういうもの大雑把に見て行くだけでも笑えてしまいます(掘り下げていったらもっと笑えます。有名なものは批判サイトを見るとよいでしょう)。



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