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ラーの生ける姿と神々の名を捨てた男、モーセの名前

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ラーの生ける姿と神々の名を捨てた男
2011/4/2(土) 午後 0:32
https://blogs.yahoo.co.jp/yhwhicxc/3062368.html

 本館の方でも若干書いたのですが、モーセと言う人物はとてもなぞに包まれた人物で、その名前すら謎に包まれています。聖書を読むとヴァティクラー(そして彼女は呼んだ) シェモー(彼の名を) モシェ(モーセと) ヴァトメル(そして言った) キー(なぜなら) ミン(の中から) ハマイム(水) メシティーフ(私が彼を引き出した)とヘブライ語の観点からモーセの名前の由来を説明しようとしています。しかし、エジプトの王女が奴隷であるヘブライ人のことばで名付けると言うのもありえない話しで、エジプト語のメセス(彼は子を生んだ)からきている、ファラオの名前によく見られる〇〇メス(〇〇の生まれた者)であると考えることは、決して無理があることとは思えません。彼の名前には何かしらの神々の名がついていたのではないでしょうか。カーメス(十七王朝の最後のファラオで、十八王朝を起こしたイアフメスの兄)、イアフメス、トトメス、ラムセス、アメンメセスなど第十八王朝には、メセスの付く名前のファラオが多くいます。

 またモーセは、ミディアンに逃れたときミディアンの祭司エトロの娘達から『一人のエジプト人が』と言われていたことからも、モーセは服装もことばもエジプト人と変わらなかったことでしょう。この時に追われる身であったので名前を変えたのか、それともそのまま使い続けたのかは分かりません。もしかしたら神ヤハウェからの召命のできごとがあってから、神々の名を捨てたのかもしれません。

 モーセは『わたしはもともと弁が立つ方ではありません。あなたが僕にお言葉をかけてくださった今でもやはりそうです。まったくわたしは口が重く、舌の重い者なのです。』と神に答えている場面も、彼がエジプトの王女に育てられたことから、奴隷のことばであるヘブライ人のことばを苦手としていたのかもしれません。それが長い間をかけて遜色がなくなったため、アロンの語る者としての働きが徐々に薄らいでいったとも考えられます。

 まあ、このようなことを想像してみると、何かスペクタクルな小説でも書けそうな気がしますね。

***「ラーの生ける姿と神々の名を捨てた男」へのコメントとレス***

コメント(2)

出エジプト記の秘密
 消えたファラオとモーセの謎
原書房

この本がオススメです
[ 免独聖也 ] 2011/6/7(火) 午前 1:25 返信する

*

情報ありがとうございます。
2011/6/7(火) 午前 3:52

******


モーセの名前
2014/1/15(水) 午前 10:22
https://blogs.yahoo.co.jp/yhwhicxc/12512201.html

 以前にもさらっと書いたのですが、また同じテーマを取り上げてみたいと思います。それはモーセについてです(http://blogs.yahoo.co.jp/yhwhicxc/3062368.html)。

ドレ画モーセ

 今日、モーセ(モシェ;משה)という名前の由来を出エジプト記2章の冒頭の物語(10節)に求める人はファンダメンタリストを除いていないと思います。

モーセ、ファラオの娘に拾われた

“2:1さて、レビの家のひとりの人が行ってレビの娘をめとった。 2:2女はみごもって、男の子を産んだが、その麗しいのを見て、三月のあいだ隠していた。 2:3しかし、もう隠しきれなくなったので、パピルスで編んだかごを取り、それにアスファルトと樹脂とを塗って、子をその中に入れ、これをナイル川の岸の葦の中においた。 2:4その姉は、彼がどうされるかを知ろうと、遠く離れて立っていた。 2:5ときにパロの娘が身を洗おうと、川に降りてきた。侍女たちは川べを歩いていたが、彼女は、葦の中にかごのあるのを見て、つかえめをやり、それを取ってこさせ、 2:6あけて見ると子供がいた。見よ、幼な子は泣いていた。彼女はかわいそうに思って言った、「これはヘブルびとの子供です」。 2:7そのとき幼な子の姉はパロの娘に言った、「わたしが行ってヘブルの女のうちから、あなたのために、この子に乳を飲ませるうばを呼んでまいりましょうか」。 2:8パロの娘が「行ってきてください」と言うと、少女は行ってその子の母を呼んできた。 2:9パロの娘は彼女に言った、「この子を連れて行って、わたしに代り、乳を飲ませてください。わたしはその報酬をさしあげます」。女はその子を引き取って、これに乳を与えた。 2:10その子が成長したので、彼女はこれをパロの娘のところに連れて行った。そして彼はその子となった。彼女はその名をモーセと名づけて言った、「水の中からわたしが引き出したからです」。”

モーセの名前由来

 ファラオの娘である王女が、数多くある奴隷民族の中のひとつであるヘブライ人の言葉の語呂合わせで名前を付けるということはあり得ない事です。教文館の『キリスト教大辞典』の「モーセ」の項目には“…ここでモーセの名の由来について、水の中から〈引き出した〉というヘブル語マーシャーに語源的説明を求めているが、これは学問的には支持されない。…”(p.1063)とそのままを鵜呑みにすることは学問的ではないことを指摘しています。またフランシスコ会訳の2:10の脚注においても“「モーセ」は、男の子という意味のエジプト語の名(1・11に出る名「ラメセス」の一部「メセス」と同じ)。本節では「引き上げる」というヘブライ語動詞「マシャー」と発音が類似するという、通俗的な説明がされている。”と説明されています。ミルトスで出している『ヘブライ語聖書対訳シリーズ 3 出エジプト記 Ⅰ』においても“משה=「ⓐmes エジプト語で子、ⓑ引き出す者」”と脚注で、“ⓐⓑ 訳語や語根のとらえ方に二つ以上の意見がある場合”として二つの説を示しています。出エジプトの出来事があったエジプトの新王国時代(第18王朝、第19王朝、第20王朝)のファラオの名前の中から有名なものを見てみましょう。

イアフメス

トトメス

ラムセス

 ヒクソスを破りさらにヌビアに遠征しおとなしくさせエジプトを再統一を果たしたイアフメス、エジプトの領土を最大にしたトトメス、最も有名なファラオであるラムセスの名前を上の画像で取り上げました。彼らは神々+mesという名前の構成に成っています。ではモーセの名前がエジプト語のmesに由来する場合(彼がヤハウィスト伝承にあるようにエジプトの王女の養子であったのなら)、当然mesの前に何らかの神の名前があったと推察できます。

モーセの名前

 モーセはミディアンに逃れ、そこでミディアンの祭司エトロの娘を助けたことから彼の娘と結婚しそこに住みました。助けられた娘たちはモーセに対して父に報告した時、“2:19彼女たちは言った、「ひとりのエジプトびとが、わたしたちを羊飼たちの手から助け出し、そのうえ、水をたくさんくんで、羊の群れに飲ませてくれたのです」。” と言った事からも、服装も立ち居振る舞い、また名前も「エジプト人」と変わらなかったのでしょう。そうであるのならやはりモーセの名前には神の名が付されていたことでしょう。そして、それをいつ捨てたのか聖書は何も語っていません。もしかしたらモーセのその数奇な出生の物語、エジプトの神への勝利(十の災い)、コリント一10章で述べられているようなモーセの紅海での救いの原体験から、神々を捨てシナイ山で顕現され導かれた主なる神にメシティーフ(私が彼を引き出した)と名前の意義を求めたのかもしれない。

***2022年6月7日追記***

2011/6/7(火)の免独聖也 さんからのコメントで紹介いただいた「出エジプト記の秘密 消えたファラオとモーセの謎」(原書房)の本を10年以上経ってやっと買いました。

出エジプト記の秘密 モーセと消えたファラオの謎

***2022年10月30日追記***

ちょっと書き忘れていましたが、モーセの名前については「聖書の考古学 5 エジプトと聖書」(ピエール・モンテ著 みすず書房)に3ページほどの記述があります。

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