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ルターの薔薇の紋章種類


 さて、ルターの薔薇の紋章について見て行きますと薔薇の紋章にもいくつかのバリエーションがあります。

 まずはバラの花びらが頂点に一枚のものとそれを逆さにしたものの二つがあります。☆のマークで言えば普通の五芒星と逆五芒星のようなものです。

二つのタイプ


 普通のタイプはルターの著作物に検印して正規版であることのしるしとしてつけられたもので、逆さのものはルターの家の門柱に1543年のルターの誕生日に妻カタリーナが刻ませたレリーフに見られたタイプのものです。こちらのルター家のものにはラテン語でVIVITと金環と薔薇の花の間に刻まれています。現在のルーテル教会は、各教会によって正位置のものと逆さのものとが使われています。

Augusteum - Lutherhaus Wittenberg Lutherrose

 もう一つはルターの薔薇の紋章の金の円環の中や周りに文字が書かれているタイプですが、これもいくつかパターンがみられます。

 一つは薔薇の紋章のみで文字のないもの。もう一つは金の円環の外にMLとしるされたもの。

二つのタイプ なし ML


 そして、Des Christen Herz auf Rosen geht, wenn es mitten unterm Kreuze steht.(キリスト者の心は、十字架の真下にあるとき、薔薇の花に向かう)とドイツ語でしるされたものと、ラテン語でVIVIT(彼は生きています)としるされたものです。


二つのタイプ 文字 訂正版

 そして、花びらの多いタイプ(正位置の花びらと逆位置の花びらの重なったタイプがあります)です。


花びらの多いタイプ


 さて、Luther roseと英語で検索してみますとさらにこのようなタイプがありました。それは一つは讃美歌曲で使われていたラテン語訳ウルガータの詩篇117:17(口語訳118:17)のNon moriar, sed vivam, et narrabo opera Domini. (「我は死せずして生き存え、主の御業を談(ものがた)らん」、ウルガタ聖書からの日本語訳「光明社版旧約聖書」から当該箇所の日本語訳引用)と書かれたものとルターの宗教改革を表す言葉「聖書のみ(sola scriptura)、信仰のみ(Sola fide)、恵みのみ(sola gratia)」の英訳がつけられたものがありました。


詩篇、宗教改革 縮小


 いずれのタイプにいたしましても、その紋章の意味するところは、前記事にて取り上げましたが1530年7月8日付のラザルス・シュペングラー宛のマルティンルターの手紙に記されていることです。これは各個のルーテル教会のホームページなんかで、引用の形ではないにしても紹介されています。引用はWikipediaに出ています(ドイツ語版はワイマール版のルター著作集のAbteilung 4 BriefwechselのBand5のp.445からその一部分を、英語版は英訳ルターワークスから当該箇所全部)。


"ルターの紋章

私の紋章が正しく意味をあらわしているかどうか知りたいということだそうですから、よいお交わりのためにも、わたしの紋章について思いいたる考えをお知らせすることにいたしましょう。これは私の神学の目印とも言うべきものなのです。第一は十字架です。それは、自然の色をした心臓の中に黒く描かれています。これによって私は自ら、十字架につけられた方を信じる信仰が私たちを救うことを思い起こしたいのです。なぜなら、人が心から信じるならば、義とされるからです。それが黒い十字架であるというのは、死のしるしであって、痛みを与えるべきだからです。しかし、心臓が自然の色をしているのは、本性がだめなのではないということです。十字架は殺すのではなく、生かすからです。義人は信仰によって、それも十字架につけられた方を信じる信仰によって生きるのです〔ローマ1・17〕。
 この心臓は白いバラのまん中にあります。信仰は喜びと慰めと平和を与えることを示すためです。それはこの世が与える平和や喜びとはちがいます。だからバラは赤くなく、白なのです。白は霊と天使の色だからです。このバラは空色の地の中にあります。霊と信仰とにおける喜びは来るべき天の喜びの始まりであり、今すでにその喜びの中にいれられており、希望によってとらえられてはいるが、まだ完全に明らかにされてはいないからです。その地のまわりに金色の輪があります。それは、そのような救いが天では永遠に続き、終わりがないということを示します。金は最高の、高価な金属だからです。私たちの愛する主キリストがあの世に至るまであなたの霊と共にあるように、アーメン。
(「シュペングラーへの手紙」1530年7月8日 Br.5・445)"

(「世界の思想家 5  ルター」 徳善義和 編 平凡社 pp.36-37)

1530年7月8日 ラザルス・シュペングラー宛のルターの手紙

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ルターの薔薇の紋章について


「脈打つ」? 「向かう」?


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