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式文改訂に思う 3


第7次式文と第8次式文 記名


 次に、これまでは信仰告白の後に、「奉献の部」に入って行くのですが、これが新しい改定式文では無くなり、替わりに「とりなしの祈り」というものがここに置かれました。

その理由について、「るうてる」紙はこのように説明しています。

2014年11月号
"キリスト者は、その初めから聖書を読むこと、神の言葉を聴くことと「パンを裂くこと」(聖餐)を礼拝の中心に据えました。主日礼拝を具体的に記録した最古のものと言われるユスティノス(2世紀前半)の『第一弁証論』にこうあります。「太陽の日と呼ぶ曜日には、…一つところに集まり、使徒達の回想録か預言者の書が時間のゆるす限り朗読されます。 朗読者がそれを終えると、指導者が、これらの善き教えにならうべく警告と勧めの言葉を語るのです。…一同起立し、祈りを献げます。そしてこの祈りがすむと…パンとブドウ酒と水とが運ばれ、指導者は同じく力の限り祈りと感謝を献げるのです。…会衆はアーメンと言って唱和し、一人一人が感謝された食物の分配を受け、これに与ります」。改訂式文の「みことば」と次の「聖餐」の繋がりが良く分かります。というより、これまでのどの時代のどんな礼拝でも、基本は、この2世紀の記録そのままであったことがお分かりでしょう。
・・・「とりなしの祈り」をここに置いたのは、先のユスティノス以来の説教に続けて行われた伝統の回復と、現在、しばしば起こる献金(奉献)の祈りとの混同を避ける意図があります。"

2014年12月号
"この「みことば」と「聖餐」は、神様からの恵みの働きとして一貫し、連続したものと理解されます。そのことを確認する意味で、今回の改訂案では「奉献」をこの間におくことを避けました。奉献というと、私たち人間が神様に捧げものをする、人間の神様に対する業という方向性を強く示すようになるからです。
 実際、ルターが礼拝順序を書いた『ラテン・ミサ』、『ドイツ・ミサ』いずれにも、「奉献」あるいは「献金」は礼拝順序には置かれていません。
 そもそも礼拝の歴史の中で「奉献」は独立した一構成要素とは考えられてはいません。むしろ、聖餐の部のなかに組み入れられていて、聖餐そのものが神に繰り返し捧げられる犠牲・奉献と考えられてきたのです。
 ルターはその聖餐の理解を180度ひっくり返し、神の恵みの業として理解したのです。ですから、この聖餐の中に奉献を残さなかったのです。
 つまり、礼拝を神様の人間に対する奉仕の業と理解するルター派の信仰に基づいて、この説教と聖餐の一貫性をまず大切にしたいのです。
 奉献についてはそれが教会の宣教の働き、奉仕の働きに用いられるものだから、 派遣の部におくことを提案しています。"

2015年1月号
" 「奉献」は、その言葉が示すように、神への献げものです。同時に神の恵みによって生かされている私自身を献げることでもあります。それは私たちが神に犠牲を献げる行為ではありません。神は、み子イエスをただ一度だけ十字架において犠牲としてくださったことで、救いを完成しているのであり、私たちからの犠牲など必要とされないのです。ゆえに私たちは犠牲ではなく、みことばに与った恵みを分かち合うために献げます。これは「サクラメントを十分に理解するように民衆に教えたので、人々は外的な食物や資産をも持ち込み、必要とする者たちに分け与えた。ミサにはコレクタということばが残っており、共同に集めるという意味である。貧しい人々に与えるために、共同金を集めるのと同じ。」(『キリストの聖なる真のからだの尊いサクラメントについて、及び兄弟団についての説教』)というルターの言葉とも重なります。そのため、困難の中にある人々と分かち合うための奉献であることを「派遣の祈り」の中心に据えました。"

 理由として、

「とりなしの祈り」をここにおいて、二世紀のユスティノスが伝える形式戻したということ。

そして、"しばしば起こる献金(奉献)の祈りとの混同を避ける意図" としていますが、そもそも「奉献の祈り」を何と混同しているのかがよくわかりません。律法やカトリックの犠牲の奉献と混同するなどということが起きているとでもいうのでしょうか。

ルターの書いた指針となる「ドイツ・ミサ」の礼拝順序にないということ。

カトリック的な奉献の否定。

なのでしょうが、そもそもカトリックのようなミサ聖祭における「奉献」の理解を教会で教えていないのに、そのような理解をしてしまうはずはないと思います。もしそのような理解に至るとすれば、教会での学びの場が少なすぎることや、教職がそういうことを会衆に伝えて来なかった、それこそ「怠り」からくる問題でしょう。

別に、ここの個所から「奉献の部」がそのまま礼拝の「派遣の部」の中に組み入れられたというのなら、それほど驚きはしなかったのですが、移ったのが「献金」だけで、「奉献唱」も「奉献の祈り」も無くなってしまったことと、「派遣の祈り」が新たに置かれ、その中に、 "今集めるものがあなたを証し、必要とする人々に届けられますように。" との文言が入ったことは、大きな違和感の嫌悪をもたらします。

現在のささげものは、初期のような日常生活品を携えてきて分け合うというのとは違い、はっきり言えば「お金」を前列から回ってくる献金皿(袋や籠)や係が差し出す献金皿に集金することです。その回収されたものをあとで会計が集計して、教会の人件費や諸活動に必要な経費、建物にかかる経費、電気光熱費などに使われます。初期教会とは違い、貧しい困っている兄弟姉妹に分け与えたりなんてことはしないので、 "貧しい人々に与えるために、共同金を集めるのと同じ" なんてロジックを掲げるのはあまり意味がないと思います。

まさしく現代の献金は、ルターの言う

"・・・しかしながら、昔は、このサクラメントをりっぱに行い、この交わりを十分に理解するように民衆に教えたので、人々は外的な食物や資産をもとに教会の中に持ち込み、そしてそこで、必要とする者たちに分け与えたほどであった。パウロが第一コリント11章〔21節〕に書いているとおりである。それゆえに、今日、ミサにはコレクタ(collecta)ということばが残っているのである。それは、共同に集めるという意味であって、ちょうど、貧しい人々に与えるために、共同金を集めるのと同じである。このように≪互いに重荷を負い合ったので≫、当時は実に多くの殉教者や聖徒ができた。また、当時は、ミサの数がもっと少なかったが、ミサの力や効果はたいしたものだった。当時は、ひとりのキリスト者が他のキリスト者の世話をし、互いに援助し、互いに同情し、互いに重荷や災難を背負ったのであるが、今日では、これが消滅してしまって、ただ多くのミサがあり、サクラメントを多く受けるばかりで、その意義の理解も実施もまったく欠いているのである。"
(キリストの聖なる真のからだの尊いサクラメントについて及び兄弟団についての説教 1519 「ルター著作集 第一集 第1巻」 聖文舎 pp.644-645)

との言葉が当てはまります。コレクタという行為のみ残ったが・・・という感じです。いままでのプロテスタントとしての「奉献」とは比べようもない程離れてしまいました。

そして、"今集めるものがあなたを証し" この文言が一番いやらしいと感じます。お金が神を証しする。なんとも嫌な響きです。

現行の「奉献の祈り」にある感謝がまったく感じられません。

"奉献の祈り
 司) 祈りましょう。
 あわれみ深い神よ。あなたは、私たちに恵みと愛のしるしとして、私たちの思いを越えた多くの賜物を日ごとに備えてくださいます。私たちは 私たち自身と賜わったすべてのものを 喜びと感謝をもってささげます。私たちのために ご自身をささげられた主イエス・キリストのゆえに、私たちのささげるすべてを受け入れてください。あなたと聖霊とともに とこしえに ただひとりの神であり、世の終わりまで生きて治められるみ子 主イエス・キリストによって祈ります。
 衆) アーメン。"

そんな意味ではないというのなら、礼拝という開かれた場に使われる文言として、読んですぐに理解できるものでないという問題があるということで、すでに不合格だと思います。

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