fc2ブログ

偽りのかなめ石 偽書であるモルモン書 2


ジョセフ・スミス


 ジョゼフ・スミス・ジュニアという青年によって創始されたモルモン教ですが、その創始者の闇の部分については、まったく教会史の中で語られていないことが多くあります。その一つがモルモン教会創設以前のジョセフについては、彼らの教会史では、当時、キリスト教のリバイバル運動が盛んで、それぞれの教派が教義によって争っていた時に、ジョセフはヤコブ1章5節を読み、その勧めの通り祈り求めたら光の中、空中に父なる神とみ子が顕現され、どの教会にも加わるな、それらの教会は「わが目に見て憎むものなり」と言ったとしています。それからしばらくして天使モロナイの訪れ、そして金版その他を手に入れ翻訳という話となって行きます。

 しかし、この顕現があった当時、ジョセフは井戸掘りの時に偶然見つけた半透明の石によって、この石を使って見れば地中の財宝を発見できるとして商売をしていたことが知られています。

 1826年にはニューヨーク州ベインブリッジにて裁判にかけられ、「詐欺および人々の平和を乱す騒乱」により有罪となりました。

ジョセフ・スミスJr 判決 罰金

判決文 見やすく


この事件については1826年ベインブリッジ裁判記録 に詳しく出ていますのでご参照ください。この時の罰金を任意の年のドルの価値を計算できる「The Inflation Calculator」で調べますと

1826年のアメリカの2.68ドルを2017年のアメリカドルの価値に


What cost $2.68 in 1826 would cost $58.93 in 2017.
Also, if you were to buy exactly the same products in 2017 and 1826,
they would cost you $2.68 and $0.12 respectively.

Google翻訳
1826年の費用は2.68ドルで、2017年には58.93ドルになる。
また、2017年と1826年に同じ製品を正確に購入する場合、
彼らはそれぞれ2.68ドルと0.12ドルの費用がかかります。

との結果が出て来ました。

 地中に財宝が埋まっている、それは偶然に見つけた半透明の石を覗くことによって解る、という行為による詐欺行為を繰り返していた人物が、古代アメリカの記録が記された金で造られた版を見つけた、それは特殊な文字で記されていて、一緒に埋蔵されていた胸当てと一体となった銀のつるでつながれた二個の石を通して覗き見ると読めるというのと、根は一緒の話に思えます。

 モルモン教は「モルモン書」が真実であるかどうかは、彼らが預言者とするジョセフ・スミスJrが信じられる人物かどうかとか、モルモン書の記述の歴史的検証や聖書との比較などではなく、

"見よ、わたしはあなたがたに勧めたい。あなたがたにとってこの記録を読むことが、神の知恵にかなうようであれば、あなたがたはこれを読むときに、アダムが造られてからあなた方がこれを受けるときまで、主が人の子らにどれほど憐れみをかけてこられたかを思い起こし、それを心の中で深く考えてほしい。また、この記録を受けるとき、これが真実かどうかキリストの名によって永遠の父なる神に問うように、あなたがたに勧めたい。もしキリストを信じながら、誠心誠意問うならば、神はこれが真実であることを、聖霊の力によってあなたがたに明らかにしてくださる。そして聖霊の力によって、あなたがたはすべてのことの真理を知るであろう。』(モロナイ10:3-5)とあり、真実かどうかを祈って神に問うなら『聖霊の力によって明らかにされるとき、(『モルモン書』を含めて) これが真実であることを証する御霊のささやきや特別な気持ちを感じることができる。」"
(「モルモン書 生徒用資料 宗教コース121-122」 p.165)

と声が聞こえてきたり、特別な気持ちを感じたなら真実であるとしています。

 そのため、彼らの聖典に対する態度は、原文に何が書かれていても、そういったことには何も意味はなく、聖霊の導きによって訳されたということが重要であるということです。極端な話、梵語で書かれたお経を英語に霊感をもって預言者と称する者が訳した時、それが原文と全く違った内容であっても何も問題はなく、神が預言者を通して与えた訳文こそが真実であり、事実と言い張っているようなものです。

  モルモン書の内容が歴史的にどれだけ矛盾していても、聖書の教えと矛盾しても、また、標準聖典の一つ「高価な真珠」に収録されているアブラハムの書が、実際はエジプトの葬祭文書である「死者の書」であり、それとはまったく内容の違う創作物になっても、モルモン書の最後に付された(英文初版)「三人の証人の証し」、「八人の証人の証し」のモルモン書の書かれていたとする金版を見たとする証人のほとんどが(スミス一家と一部の人を除いて)モルモン教会を去っても、考古学上の発見など無くても、このカリスマ宗教にとっては意味のないことなのでしょう。

 また、彼らはジョセフ・スミスJr亡き後もカリスマ宗教であり続けています。

 "神は昔と同様,今日も主の教会を導くために預言者を召しておられます。現在の預言者,末日聖徒イエス・キリスト教会の大管長はトーマス・S・モンソンです。モンソン大管長は二人の顧問,ヘンリー・B・アイリングとディーター・F・ウークトドルフの補佐を受けます。これら3人は教会の大管長会を構成します(キリストの死後のペテロ,ヤコブ,ヨハネと同様)。
大管長会と十二使徒定員会の全会員は使徒であり,預言者です。現在の使徒は次のとおりです。・・・"
現在のモルモンの預言者はどのような人ですか。

と、大管長(狭義には大管長が預言者)と二人の顧問(昔は「副管長」と言ったと思ったが、現在は「管長」との表記になっている)、そして十二使徒を預言者としているようです。

そして大管長について、

 "生ける預言者に与えられる主の言葉は時宜にかなっており,現代のわたしたちにとって最も重要である
世の中は絶えず変化しています。それまでとは異なる新たな問題,そして過去の問題が多様な形で次々とわたしたちの前に現れます。知恵と愛にあふれるわたしたちの天の御父は,すべての物事が起こる前からそれを御存じです。そして,御父は必要に応じて,疑問への答えや解決法を預言者を通じて明らかにしてくださいます。預言者は現存する聖文を説き明かし再検証するだけでなく,主の代理人としての役割も果たします。人々の必要に応じて,主は預言者に新たな聖文をお授けになることもあるのです。聖霊の導きを受けて語るとき,生ける預言者の言葉は,同じ事柄について述べられたほかのいかなる言葉よりも優先されます。霊感によって語られる預言者の勧告は,標準聖典にある永遠の真理と調和し,その時代の必要や状況に焦点が当てられたものです。"
第2章 生ける預言者-教会の大管長 生ける預言者の教え 生徒用手引き

と現任の大管長のことばの優先性が説かれています。

 そのせいなのか、彼らの信仰のかなめ石と呼ぶ「モルモン書」やジョセフ・スミスJrの啓示集である「教義と聖約」はものすごい数の改訂がなされています。モルモン書は3,913か所の改訂がなされているそうです(詳しくはこちらで Introduction 3,913 Changes in the Book of Mormon

  わたしが「北風から」のブログ(サービスが終了したラブログ)でも書き、引っ越した先のYahoo!ブログにも書いたのですが、こちらにも転載しておきます。

モルモン教標準聖典 URL入り


 英文は1830年初版とし、改ざん個所に括弧で変更文を書きます。聖書の批評欄にならい、括弧の中のaddとあるのは加筆のことで、omとあるのは削除、pmとあるのは別な語に交換したことを表すものとします。


ニーファイ一13:40(初版32頁五行目と九行目以下)
“…These last records…shall make known to all kindred, tongues, and people, that the Lamb of God is (1964ed.add:the Son of) the Eternal Father(1981ed.add:,)and the Savior…”


ニーファイ一11:18(初版25頁四行目)
“…Behold, the virgin which thou seest,(1981ed.om:,) is the mother of(1969ed.
add:the Son of) God, after the manner of the flesh.”


ニーファイ一11:32(初版26頁九行目)
“…the (1964ed.add:Son of the) Everlasting God,(1981ed.om:,) was judged of the world; and I saw and bear record,”


ニーファイ一20:1(初版52頁Ⅵ章の下の行から十七行目)
“Hearken and hear this, O house of Jacob, which(1981ed.pm:who) are called by the name of Israel, and are come forth out of the waters of Judah, (1964ed.add:or out of the waters of baptism,) which(1981ed.pm:who) swear by the name of the Lord…”


モーサヤ21:28(初版200頁二十四行目)
“…King Benjamin(1969ed.pm:Mosiah) had a gift from God,whereby he could interpret such engravings;…”


 次に述べる改ざん個所は、日本語訳の1957年佐藤龍猪訳「モルモン經」と、1995年訳「モルモン書」の訳文を対比するだけでもわかる個所です。

アルマ29:4(初版303頁十七行目)
“…yea, I know that he allotteth unto men,【yea, decreeth unto them decrees which are unalterable,】 according to their wills…”

ここで【】で囲った個所は、1964年版では削除されていました。1957年日本語訳にもないことから、日本語訳の底本であった1920年版において削除されたものと思われます。しかし、この【】で囲った個所は1981年版では再び元に戻されました。そのため1981年版を底本としている1995年日本語訳でも、この個所は1957年版より拡張されています。では以下に日本語訳を引用します。

1957年版
私は多過ぎる希望をもって正義の神の堅い取り極めを不満に思ってはならない。なぜならば、人が死と願うにも生を願うにも神はこれに応じたまい、人の心が救いを求めるのも亡びを求めるのも、神はこれを許したもうと言うことを知っているからである。

1995年版
わたしは公正な神の堅い定めを、わたしの願いによって乱してはならないのである。人が死ぬことを望もうと生きることを望もうと、神が彼らの望むままにされることを知っているからである。まことに人々が救いを望もうと滅びを望もうと、神は彼らの意のままに、不変の定めを彼らに布告されるということをわたしは知っている。


 本当に極々一部ですが、改ざん個所を見てみました。「モルモン書」の序文にはこうあります。『この記録について、預言者ジョセフ・スミスは次のように言っている。「わたしは兄弟たちに言った。『モルモン書』はこの世で最も正確な書物であり、わたしたちの宗教のかなめ石である。そして、人はその教えを守ることにより、ほかのどの書物にも増して神に近づくことができる。」』しかし、現実はどうでしょうか。そんなに正確な書であるのに、なぜこんなにも改ざんがなされるのですか。自分達の宗教のかなめ石を、なぜそんなにも改ざんするのですか。答えは実に簡単です。それは人間の創作物に過ぎないからです。

前回:偽りのかなめ石 偽書であるモルモン書 1


関連

聖書を改変するモルモン教

有名なモルモン書のあり得ない箇所と言い訳

白い肌と黒い肌

金版、真鍮版

金の板に文字が書かれていれば利用しようとする

モルモンに対して

アブラハムの書

スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

athanasius

Author:athanasius
当ブログにおいて、キリスト教関係の記事などにつきましては、あくまでもわたしの信仰や所属する教派・教会の教義的な私個人の立場から、わたしがおかしい、納得できない、ウソだろう、こうではないか、なとなどの批判・批評、否定、または合意、賛同などを書いています。また他宗教については個人的な感想として書いています。ある人にとってはとても不快に思ったり、反対意見もあると思います。その場合、広い心でお読みください。また、人の考え方は不変なものではありません。過去の発言と現在の発言が変わったりするのも自然なことですのでご留意ください。

 Yahoo!ブログからの引っ越し記事内のURLはリンク切れをしているものがあります(気が付いたらものからインターネットアーカイブに保存されているのならウェイバックマシンURLなどに修正などしております)。


 役立った、良かったなどありましたら拍手ボタンを押していただけると嬉しい限りです。


​一応、特に聖書の引用表記のないものにつきましては、著作権の保護期間を過ぎている日本聖書協会の「口語訳聖書」(1​955​年版の旧約聖書、19​54年版の新約聖書)を使用させていただいています。後の改定された口語訳聖書と違い、一般に差別用語や不快語とされていしまった言葉がそのままですのでご注意ください。

最新記事
最新コメント
カテゴリ
検索フォーム
リンク