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聖書協会共同訳 3


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 第一回目の感想の続きで、マタイ福音書をまた見て行きます。

11:17で、新共同訳の"葬式の歌をうたったのに"との表現が、パイロット版と聖書協会共同訳においては、口語訳と同じ"弔いの歌を歌ったのに"との表現に戻りました。 これはいい方向での回帰と言えます。

 しかしながら22節の"さばきの日には、ツロとシドンの方がおまえたちよりも、耐えやすいであろう。"(口語訳)では、新共同訳聖書と同じ "軽い罰で済む"との表現にとどまりました。その代わりにフットノートにて、"直訳「耐えやすい」"との直訳文を載せています。しかし、ギリシャ語アネクトス(ἀνεκτός、#414)に「軽い罰で済む」などと言う語意はないのだから、語意の通り「耐えやすい」と訳してけば良いものを、これもフランシスコ会聖書研究所訳に引きずられて定着してしまったのでしょう(フランシスコ会訳では「軽い責め苦」、もしかしたら根底には「煉獄」思想、「小罪」の浄化の苦しみがあるのかもしれない。)。

 新共同訳では、「霊」という語に引用符を付して「“霊”」と奇妙奇天烈な表記をしていましたが(これもフランシスコ会訳から来たものと思われます。フランシスコ会訳では、霊の語を鉤括弧を付して「霊」と表記していました。)、今回の訳では今のところ見当たりません。

 13:20のペトローデース(πετρώδης、#4045)は、共同訳・新共同訳・パイロット版・聖書協会共同訳では、"石だらけの所"と訳されています。しかし、ペトローデースは下が岩でその上に土が薄くかぶさっているところを指す言葉で、なんか砂利道を思わせる訳語はふさわしいとは思えません。口語訳のように"石地"とするか、できれば岩隈直訳のように"岩地"とする方が良いように思えます。フランシスコ会訳でも「岩地」としています。

 17:24、
"一行がカファルナウムに来たとき、神殿税を集める者たちがペトロのところに来て、「あなたたちの先生はa神殿税を納めないのか」と言った。"
フットノート "直訳「二ドラクメ硬貨」"
 17:27
"しかし、彼らをつまずかせないようにしよう。湖に行って釣り針を垂れなさい。そして最初に釣れた魚を取って口を開けると、銀貨が見つかる。それを取って、私とあなたの分として納めなさい。」 "


となっていますが、ギリシャの貨幣「ディトラクメー(二ドラクマ)」も27節の「スタテール(四ドラクマ相当)」も共に銀貨ですので、そのまま直訳して「二ドラクマ」と「一スタテル」と他の通貨単位と同じく音訳すればよいと思います。本来の「注」付きの聖書なら注にてディドラクメーが神殿税であることの説明を付すものですが、この聖書協会共同訳の注はそのような説明が付されないで、単に直訳・異訳などを付しているだけの「注」とも呼べない程度のものです。

 とりあえず25章までは気になったところをノートに抜き書きしているのですが、今回は17章までにしておきます。

つづく


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