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聖書協会共同訳 6


聖書協会共同訳旧約続編付き Athanasius

 聖書協会共同訳聖書を見て行くと、本当にこんなものを教会で使っていいの? と思える箇所があります。

 巻末付録の用語解説を見ていて、「献げ物」の項目がありますが、新共同訳聖書と訳語が変わっているので対比されています。その中で、明治元訳(文語訳聖書の旧約)と口語訳では「酬恩祭(しゅうおんさい、神の「恩に報いる」の意)」と訳され、新共同訳では「和解の献げ物」と訳されていたゼバハ・シェラーミームが、「会食のいけにえ」と訳されていました。

 それで、どうしてこう訳したのかについて、用語解説の「献げ物」の項目では説明がないので、「会食のいけにえ」の項目を見て見ましたら、 "「献げ物」の項を見よ。" としかありません。すなわち何の説明もないという事です。

 ならば、聖書協会共同訳でレビ記3章を読んでみましたら、何のための生贄や献げ物なのかよくわかりません。会食するのに生贄の献げ物をしなければならないとも読めます。

 まず、七十人訳聖書はどうなっているのかと思い見て見ますと、 "θυσία σωτηρίου"(救いの犠牲(供え物))となっていました。秦剛平訳「七十人訳ギリシア語聖書Ⅲレビ記」(河出書房新社)でも確認しましたら、 "救いに感謝する供え物"となっていました。

フランシスコ会聖書研究所訳注 記名入り小


 それから口語訳旧約聖書の略解、新聖書辞典などとフランシスコ会聖書研究所訳の注を確認しました。フランシスコ会聖書研究所訳聖書の注が詳しく載っているので、以下に引用したいと思います。

"(1) 「和解の献げ物」は、献げ物の動物の脂肪だけが祭壇上で焼かれ、また祭司に対するその献げ物の割りあてがなされた後で、残った部分が奉献者およびその家族、または友人によって聖なる宴として食された。時々、その宴にレビ人、寡婦、孤児、貧者が招かれた(申12・18、16・11、14参照)。「和解の献げ物」(創31・54、46・1)は、神との親交を表す。また仲間とともに行う宗教上の懇親会をも意味する。本書で「和解」と訳されている原語の確実な意味については、いろいろ論議されている。ギリシア語訳ではこの原語は、箇所によって異なった意味に訳されているが、レビ記の中では普通に(二十八回)用いられている訳語は、「救い(による感謝?)」を意味している。ラテン語訳では全体を通じて(ギリシア語訳ではレビ記以外の個所)、「平和的」と訳されている。原語には、「終了」または「達成」の意味もある。実際、この和解の献げ物は、連続奉献の場合には、いつでもいちばん最後に執行されている。また、この語は時としては、誓願達成のための奉献の意味で用いられている(箴7・14、民6・14)。"
(フランシスコ会聖書研究所訳注 聖書 (旧)207頁)

 しかし、2011年のフランシスコ会聖書研究所訳注聖書(旧新約の合本版)よりも、1959年のフランシスコ会聖書研究所訳の分冊版の「レビ記」の訳語 "酬恩伴食祭" の方が祭儀の目的と全体をよく表しているでしょう。

新改訳聖書2017 Athanasius


 この注を読んで、新改訳2017の訳文「交わりのいけにえ」は、まだ妥当なラインなのかもしれないとわかりましたが、聖書協会共同訳の「会食のいけにえ」の訳はやはり、この献げ物の目的が違ってしまうし、シェラミームに「会食」なんて語意無いだろとと思います。

 正直、読み辛い、分かり辛い、普通そういう言い回ししないだろ、原語から遠ざかり作文みたいな箇所、これは使って行けば慣れるとかそういうものじゃないなと感じます。


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